【作品紹介】「記念日」の意味

映画『オレの記念日』は、冤罪被害者の桜井昌司さんを追った映画です。なぜタイトルが「記念日」?と不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

このタイトルは、桜井さんが獄中で読んだ詩『記念日』から拝借しました。
こんな一文から始まります。
────────────────
1967年10月10日
夜風に金木犀は香って
初めての手錠は冷たかった
────────────────
桜井さんが逮捕された日のことです。
この日から29年間にわたる獄中生活がはじまります。
本作では、『記念日』の続編ともいえる、仮釈放された1996年11月14日以降の出来事を読んだ詩『オレの記念日』を小室等さんが朗読してくださっています。

桜井さんはなぜ、逮捕された日を、嘘の自白をした日を、最高裁判所の決定が確定した日を、「記念日」と言えるになったのでしょうか。

この詩は桜井昌司さん著『俺の上には空がある 広い空が』(マガジンハウス)に掲載されています。
同書には『記念日』のほかにも、
「自分の言葉で自分を汚さない」という決意を詠んだ『僕の仕事』なども掲載されています。

映画と合わせてお読みいただくと、桜井さんの言葉の力を実感いただけるのではないかと思います。